慧日寺大伽藍(がらん)
伽藍(がらん)とは、僧侶が集まり修行する清浄な場所で、寺院の土地や主要な建物群を意味します。
往時(おうじ)の慧日寺は、磐梯山麓に大伽藍を展開しており、山中には僧たちの修行の場となる堂舎(どうしゃ)が、山麓の平坦な地には中心仏堂(ぶつどう)が建てられました。
初期の中心仏堂としては、これまでの調査によって中門・金堂(こんどう)・講堂・食堂(じきどう)などが確認されています。
中門は、伽藍中枢部である金堂前庭(ぜんてい)の南を区画する重要な施設でした。
金堂は慧日寺の中心建物で、本尊が祀られていました。慧日寺は薬師如来を本尊としていましたので、後世には薬師堂とも呼ばれるようになりました。
また、金堂の北側には、僧侶たちが講義やさまざまな儀式などを行う講堂があり、さらにその後方には僧たちが食事をとる食堂(じきどう)がありました。
そのほか、金堂前の儀式空間が、石敷(いしじ)きの広場であったこともわかっています。